遺影写真の選び方

お葬式で一番慌てることは写真選びです

お葬式で一番慌てることは、何だとお思いでしょうか。

意外や意外、写真なのです。誰もお葬式のためにと写真を写す方などいらっしゃいません。私もそうです。


私どもがご当家にお伺いして、遺影写真の原稿をお預かりしようと声をかけますと、まるで家捜しのように慌てる方が、約3割もいらっしゃいます。
得てしてそういう方は、本人が写真嫌いというケースが多いのですが、困り果てて、免許証やパスポートを提出されて「これでどうですか」と・・・。

もちろん、出来ないことはありませんが、私たち葬儀社が、他社のとり行うご葬儀に参列するとき一番最初に見るのは、スタッフの姿勢や対応の仕方。それから祭壇の飾りつけや全体のレイアウトと、まぁこんな具合です。

 

では、一般の会葬者の方がまずはじめにどこを見られるか、おわかりでしょうか?
ほとんどの方は、あまり祭壇の飾りつけなどは印象に残らないようです。

印象に残っているのはズバリ遺影写真です!

 

生前の面影があって、はっきり写っているお写真なら皆さん口をそろえておっしゃいます。「いい写真やなぁ」と・・・・。

 

よくよく考えてみると、焼香されるときも会葬者は遺影写真を見て合掌されます。
会葬する方のお顔を見ながら、遺影写真の重要性を改めて感じました。


みなさん祭壇よりも何よりも遺影写真を見ておられるのです!
それからというもの、私どもなりに遺影写真に対してさまざまなコダワリを持つようにしました。
案外、葬儀社さんで写真に関するアドバイスをする所は少ないようです。

一般的な写真の選び方

・ネガは必要ありません。

・一人で写っていなくてもかまいません。

・最近はカラーで、着せ替えせずにそのままが多いようです。

・できるだけ正面を向いている写真が良いです。

・表面が凸凹の写真よりツルツルで光沢のある写真を選んでください。

・できるだけ大きく写っているものがいいです。

 

この位は、普通の葬儀社さんなら誰もが言ってくれます。
でも、私どもの考えは少し違います。

 

・からだの向きは、あまり気にしなくてもいいと思います。
人それぞれクセがあり、ありのままのお姿の方がよりその方らしい雰囲気になると思うからです。

・服装に関してもそうです。宴会でチョット一杯のいいお顔をされているお姿に紋付を合わせたとしたら表情と服装があまりにもかけ離れた感じになると思います。

・できるだけ表情に注意して選んでいただきたいものです。リラックスして写っておられる写真は、その方らしさが漂っているのでは・・・・。

・もし背景に、自然の物やきれいな景色があるなら、背景をかえずにそのまま使用した方が、季節感のある美しい写真に仕上がります。

・部屋の中で撮っている写真より、屋外で撮った写真を選んだ方が、明るさもぜんぜん違い、ピントの合っていることが多いようです。意外と明るさは気にしていない葬儀社さんが多いようです。

・選ぶときは、1枚といわずに数枚えらんで、葬儀社に提出しましょう。そのときかならず第1候補を教えてください。

 

写真の出来、不出来が葬儀の印象を決めてしまうことを心に留めておいてください。