現代ではそれなりに社会全体が豊かになり、相互扶助としての香典の意味がなくなりつつあり、それに加えて「香典返し」というわずらわしさから解放されたいと思う人々が増えたのでしょう。
だから、香典辞退が増えたように思うのです。
しかし、問題なのは香典を辞退しても樒や供花なら受けるという考え方です。
このお考えの方は、意外と多いのですが、私どもは少しおかしいと思います。
辞退するならすべてを辞退するべきですし、お受けするならすべてを受けるべきではないでしょうか。
なぜ、こんなことを言うのかと申しますと、香典さえ辞退すれば何も返しが要らないと考えておられる方がほとんどだからです。たしかに香典を辞退されれば香典返しは不要です。
しかし、供花にしても樒にしても、盛かごにしても、相手様はお金を出していることには変わりありません。
つまり、お返しをする必要があるわけです。
香典は満中陰にまとめてお返しします。供花はどうでしょう。
いただいた方のご不幸の時にお返しを・・・と、考えますといつになるかわかりません。
いつまでも記録を残しておいて、『こちらに供花をいただいているんじゃ?』と、そのつど調べなくてはなりません。
その方が面倒ですし、手間がかかります。
だからこそ、辞退するならすべてを辞退する方がいいのです。式場を少しでも賑やかにというお気持ちもわからなくもないですが、供花を受けてしまえば香典を辞退した意味がなくなるわけです。
企業の場合は違う意味合いもありますので、あくまでも個人葬についてとお考え下さい。
これらを踏まえ、もしもの時にどちらがあなた様にとってよいのかをお考えいただければと思います。