式場のこと

もしもの時を考える上で、式場選びがかなりのウエイトを占めている

『どこでお葬式を行うのか』

これは葬儀社選びの次に考えておかなければならないことであり、ここでつまずくと、まったくご自分の思いとかけはなれたお葬式になってしまいます。
結果、「思いのほか金額がかかった」「暑い(寒い、雨の)中、会葬者に申し訳なかった」「内輪だけでしたかったのに」などと後悔することになります。


お葬式で後悔された方の半数以上が、式場選びに失敗したことが原因です。


現在はほとんどの方が病院でご逝去し、その途端すぐにご遺体を搬送しなければなりません。親切な病院なら霊安室で待たせてくれますが、ほとんどの病院がすぐに搬送するようにご遺族にうながします。


病院の考えもわかります。霊安室は大きな病院でも2箇所くらいしかありませんので、大きな病院になればなるほど逝去される方が多くなるので、長く霊安室にいてもらっても困るのです。

 

もし、ご自宅へ搬送されるなら上記のことは問題ありません。病院から紹介される寝台車に、お任せしないように気を付けさえすれば大丈夫です。ご逝去されたらすぐに信頼のおける葬儀社へ連絡し、ご遺体の処置(病院による消毒や衣服の整え)のあと搬送してもらいますので、慌てることなく進行してまいります。住み慣れた我が家に帰ることによって、少しでも心が落ち着くというものです。
葬儀に関しても、かなり落ち着いて考えることが出来るようになります。

 

しかし、マンションやご自宅が狭いなどの理由から、ご自宅へ故人様を連れて帰ることが出来ない方はどうでしょう。
例えば、ご希望の式場が二日間しか利用できない場合、夕方にご逝去されたらその日にお通夜?無理な話です。
24時間たたないと火葬できないのに、翌日にはとうてい葬儀はできません。
また、深夜にお亡くなりになった場合、地域の自治会館は空いていませんし、ほとんどの自治会館はご遺体を布団で寝かせることを禁止されています。つまりお棺にお入りいただいた上での受け入れというわけです。


公営の式場も同じです。
「やはり、民間の葬儀会館しか無理かぁ」
いいえ、そうではありません。

民間の葬儀会館は使用料も高いですし、使用料を安く設定していたとしても、祭壇金額に上乗せされており、かなりの経費がかさみます。

 

つまり、ここでもあなたの思いとはかけ離れたお葬式になってしまうというわけです。

「では、どうすればいいの」

すべての選択肢には、それぞれに長所短所があります。嘘をつきたくないので、あらかじめ申しておきますが、完全にあなたの思いが叶う式場は、皆無に等しいと思っておいてください。確率からいって難しいと思います。
葬儀のプロが言うのですから間違いありません。

 

お葬式自体が突然起こるご家族にとっての一大事であり、覚悟はしていたとしても、今日明日なんてだれにもわからないし、ここだと決めた式場を予約しておくことができません。

 

お葬式自体が妥協の連続なのです。あらかじめ決まっていれば、ひとつの問題に対して対応策も考えることができます。もちろん時間的余裕もありますから。ですが、お葬式はそういうわけにはいきません。
だからこそ、心に決めておく必要があるのです。
どこに重きをおくのか、いったい何を妥協できて、どこを譲ることが出来ないのかを・・・。それが、納得のいくお葬式を行うきっかけになるのですから。

 

そのためにも、あらかじめ式場の特徴を知っておき、もしものときにまず、どこに搬送するのかを決めておく必要があるのです。


もしものとき、まずどこに搬送するのかを決めておいてください。

ご自宅の場合

住み慣れた我が家から送ってあげたいと、考える方も増えてきました。家族葬をとお考えの方には、難しいかもしれませんが、うまく行えばかなりの費用を圧縮できると思います。

 

長 所:

・ご自分の家ですので、気を使わず利用できる。
・使用料が発生しない。
・近隣の方が参列しやすい。
・昼夜を問わず、病院から搬送できる。
・副葬品などを忘れたとしても、すぐに探すことができる。
・式場スペースが限られているので、低額な費用でも満足いく祭壇を飾ることができます。

 

短 所:
・会葬者用の駐車場設備がない。
・駐車場設備がない。
(会葬者が多い場合は、路上駐車が多くなり、近隣の方へのご迷惑ばかりでなく通報などにより、逆に会葬者にご迷惑をかけることになる。)
・式場内に全員が入ることが出来ないので、屋外にテント設備などが必要になる。
(特に雨天時は、テントの数量が増えたり、夏季や冬季には冷暖房設備が必要となり、
経費がかさむことになるだけでなく、会葬者へ申し訳ないといういらぬ気遣いがおこる)
・祭壇を設置したり、式場として機能させるために家具などを動かす必要がある。
(ようやく葬儀が終わったとしても、それらを元に戻す必要があり、かなりの労力を要する)
・マンションなどの場合、会葬者が焼香するまで廊下で立ったまま待ちぼうけとなる。
・エレベーターのないマンションや、小さなエレベーターのマンションの場合は、搬入や搬出の際は階段を利用することになるので、非常に危険。
(男性陣が多くいれば問題ありません)
・祭壇・ご親族の着替え・お寺様の控え・食事など用意するお部屋が必要になる。
・家族葬をお考えの場合、近隣の方にはすぐに分かってしまう。
(「帰って下さい」といえるわけでもなく、結果的に気遣いが発生してしまう。)

地域の自治会館の場合

あなた様のお住まいの近くに、必ず地域の自治会館が存在します。

 

長 所:
・町会費さえ払っていれば、優先的に利用できる。

・民間式場よりもかなりお安い使用料となっている。

・あなた様のお家から近いので、ご近隣の方が参列しやすい。

・祭壇スペースが限られているので、低額な費用でも満足いく祭壇を飾ることができます。

 

短 所:
・自治会が運営しているので、深夜の搬入は不可。
(この場合、病院からいったんご自宅へ搬送するか、朝まで病院で待たせてもらう必要がある)
・ほとんどが1泊2日の利用で、搬入した日がお通夜になる。
(午後の搬入となると、物理的にお通夜はその日にできません)

・納棺を別の場所ですませた状態で、搬入しなければなりません。
(霊安室のある病院は、事情を伝えれば納棺させてくれます)
※地域の会館のなかには3日間の利用ができ、納棺をしていなくても受け入れ可能なところがあります。

・駐車場設備がない。
(会葬者が多い場合は、路上駐車が多くなり、近隣の方へのご迷惑ばかりでなく、通報などにより、かえって会葬者にご迷惑をかけることになる)
・式場内に全員が入ることが出来ないので、屋外にテント設備などが必要。
(特に雨天時は、テントの数量が増えたり、夏季や冬季には冷暖房設備が必要となり、経費がかさむことになるだけでなく、会葬者へ申し訳ないといういらぬ気遣いがおこる)

・お風呂やシャワー施設は、もちろんありません。(市内の場合は、近くにお風呂屋さんが多くありますが)

・ご自宅と同じように家族葬には不向きです

公営式場の場合

公営式場は大半が火葬場に併設しており、霊柩車やバスなどが不要で、費用も経済的なので非常に利用者が多いようです。また、駐車場もありますので、会葬者にも便利です。
特に、北斎場は駅からも近いうえに、バリアフリーなので、言うことなしです。

行政が運営していますので、利用にあたり若干の制約があります。

 

長 所:
・駐車場が充実している

・使用料が地域の自治会館並みである

・火葬場併設なので、霊柩車やバスが不要でより経済的である。特に、北斎場の場合は屋外設備(テントなど)が不要のため、なおのこと経済的である。

・瓜破斎場・北斎場ともにバリアフリーとなっている。

・シャワー室まで完備している式場もある。

 

短 所:

・費用負担が少なく人気があるため、逆に数日待つこともあります。

・交通の便が良くない式場もある。

・3日間の利用はできないので、借りたその日がお通夜となる。(夕方お亡くなりになった場合は、24時間たたないと火葬ができないため、必然的にその日は仮通夜となり、ご自宅で仮通夜を過ごしていただくことになります)

・ご遺体を布団のまま寝かせることができません。
(斎場に行く前に、納棺を済ませた状態でないと受け入れてくれません)

・大阪市内の火葬場内は飲食禁止となっています。
(そのため近隣に仏事専門の料理屋ができており、みなさんそちらを利用されています)

・大阪市外の火葬場では控室でお食事をとることができる火葬場がございます。

・大阪市内の火葬場併設式場は、お葬式終了後に次の方へ式場および控室を明け渡さなくてはなりません。

そのため収骨まで控室にて待機したり、初七日法要で式場を利用したりすることはできません。

・大阪市外では収骨まで待機できる個室の待合室を完備している火葬場がございます。

初七日法要も式場で行える火葬場もございますので、詳しくはお問合せください

民間の葬儀式場の場合

葬祭業者が葬儀や法事を行うために作った施設なので、機能的には最も充実しています。葬儀を行う場所だけでなく、宿泊の施設や、会食の施設、宗教者の控室なども用意されているケースが多く、建物のデザインに趣向を凝らしたものもあります。葬儀社が所有する式場の場合は、その葬儀社に葬儀を依頼することが、式場を使用する条件になります。

 

長 所:

・設備が充実している。

・病院からそのままご遺体を搬送できる。

・2日以上の利用が可能。

・交通の便が良いところが多い。

・駐車場を完備していることころが多い。

・大きなホールなら、火葬場併設式場のように、屋外設備(テントなど)が不要。

 

短 所:

・式場利用料金が高額なところがある。

・利用料金が無料でも祭壇の費用に上乗せされている場合がある。

・葬儀社の選定ができない。

・供花や飲食などの持込ができない。

・料理屋などは決められており、値段が内容のわりに高いところが多い。

・供花は基本的には故人様とのお別れのために、切ることができないところが多い(リースという考え)。

・大きな葬儀会館だと祭壇を大きくする必要があると感じてしまい、いらぬ経費がかさんでしまう。

・お葬式の時間から始まって、祭壇やスタイルまでどうしても葬儀社の自社式場の場合は、葬儀社主導の葬儀にならざるを得ない。

寺院の場合

寺院の場合、本堂などで葬儀を行う場合と、敷地内などに会館(貸し斎場)を建設して一般に貸し出されている場合があります。前者の場合は、檀家の葬儀が中心になりますが、後者の場合は、他の宗派でも利用できることが多く、大阪では多く見られるようになりました。

 

長 所:

・民間の葬儀式場の長所に加えて、どの地域の方でも利用ができる。

・非常に低価格で利用可能な式場もある。

・伝統的で格式ある葬儀を行うことができる。

 

短 所:

・宗教や宗派が限定されている場合がある。

・葬儀に同席してもわらなくてはならないところもある(その場合は、お布施も必要となります)。

・出入りの葬儀社を決めておられるところもある。

・駐車場設備が充実していない所が多い。

・建築物として非常に価値がある場合が多く、より慎重に使用しなければならない場合がある。

ご遺体ホテル(遺体保存施設)の存在

マンションやご自宅が狭いという理由から、病院からご自宅には戻らずに、火葬場併設式場や地域の自治会館でお葬式をとお考えの方は多くいらっしゃいますが、式場の規則もありそのまま直行というわけにはいきません。

そこで大阪府下にはご遺体をお預かりできる施設がございますので、故人様をご自宅へお連れすることが難しい方、また様々な理由でご安置先にお困りの方にご利用いただけます。

費用にしましても1泊2日15,000円~と非常に経済的なので、利用を希望される方が多くなっております。
ただし、ご家族も一緒に泊まることができないので、ご遺体だけの宿泊となります。