
日蓮宗の開祖は、日蓮聖人です。
その教義は、日蓮宗の中心的な経典である法華経の功徳を信者が施し信仰を深めるためには、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」のお題目を唱えることが重要とされています。
日蓮宗の葬儀の特徴:「南無妙法蓮華経」で功徳を積む
「南無妙法蓮華経」のお題目を繰り返し唱えることによって法華経への信心の深さを示すことができ、死後には「霊山浄土(りょうぜんじょうど)で釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)にお会いし、成仏することができる」というのが、日蓮宗の教えです。
葬儀においても「南無妙法蓮華経」というお題目を唱えることが重要で、葬儀の最中にもこのお題目が唱えられます。葬儀の場でお題目を唱えることによって「故人の生前の信心深さを讃え、故人が無事に霊山浄土に辿り着き成仏する」手助けができるため、功徳を積むことになり修行が進むとされています。
日蓮宗葬儀の流れ:お題目で故人を送る
枕飾りやご安置に関しては一般的な仏教と変わらない場合が多く、守り刀や一膳飯などをお供えし、浄水に樒の葉を浮かべるようにします。
地域によっては、枕団子をお供えすることが重要であったり、塩と味噌を皿に盛ってお供えすることもあります。
また通夜では、蝋燭の火や線香の煙を絶やさないようにすることが一般的です。
日蓮宗の場合「総礼」→「道場偈」→「勧請」→「開経偈」と続き、参列者全員で「読経」→「唱題(お題目を唱えること)」で経本を読み上げ、「南無妙法蓮華経」を唱えるようになります(地域により多少異なります)。
「開棺」で、導師が棺の前に進み、棺の蓋を軽く叩き音を立て経文を読み、「引導」は仏様に故人を引き合わせる儀式で、僧侶は払子(ほっす)と呼ばれる麻や獣毛などを柄につけた仏具を振り、引導文を読みます(日蓮宗独特の作法で、宗教家により作法の仕方も異なります)。
日蓮宗の焼香の作法やマナー:焼香は3回?それとも1回??
日蓮宗では、焼香は導師が3回、遺族や参列者は1回だけおしいただくという決まりがあるように一般的に言われております。
1回という行為には、一心不乱に祈るという意味が込められているからとも。
(ただし、一般参列者も3回でもよいとされる場合もあります)
日蓮宗では、葬儀のときから四十九日の手前の法要までについては、不祝儀袋の表書きには「御霊前」または「御香典」と書きます。そして、葬儀終了から四十九日以降の法要時には「御仏前」「御香典」と書くようにします。