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お役立ちコラム

公開日 2025.09.04 更新日 2025.11.20

直葬後の遺骨の供養方法と引き取らない場合の選択肢を解説

「通夜や告別式を執り行わずに直葬で済ませたい」

「ご遺骨を引き取りたくない」

ご家庭の事情によって、このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特にご遺骨を引き取らないことが実際に可能なのかどうかという点は、気になるところですよね。

 

本記事では、この疑問に答えるとともに、引き取る場合の供養方法も解説します。

故人を快く見送るための最善策をお探しの方は、ぜひ最後までご覧ください。

直葬とは?

直葬とは、お通夜や告別式といった儀式を省き、火葬のみを行う葬儀を指します。

“密葬”“火葬式”ともよばれ、葬儀の手間や経済的な負担を減らせるのが特徴です。

一般的に、直葬は以下の流れで行われます。

 

直葬の流れ

  1. 医師に死亡診断書を発行してもらう
  2. 安置所・自宅で安置する
  3. 葬儀社のスタッフが納棺・出棺を行う
  4. 火葬場で火葬を行う
  5. 火葬後にご遺骨を骨つぼに収める

火葬は、死亡診断書を受け取ってから24時間以上経過しないとできません。

また、火葬の依頼時には死亡診断書が必要になるため、忘れずに用意しましょう。

直葬でご遺骨を引き取らないことはできる?

ご遺骨の引き取りを拒否できるかどうかは、自治体によって異なります。

各自治体は、その地域の火葬場の運営や火葬に関する規則についてまとめた火葬場条例を定めています。

それにご遺骨の引き取りを自治体が対応している旨が記載されている場合に、こちらでの引き取りを拒否できるわけです。

 

基本的に関東圏では、ご遺骨を全収骨してお墓の継承者に引き渡すのが通例であるため、引き取りを拒否することを認められていません。

一方、関西圏では一部のご遺骨を火葬場や自治体が供養する“部分収骨”が一般的なため、引き取りを依頼できる可能性が高いといえます。

安心して手続きを進めるためにも、葬儀を執り行う自治体に一度問い合わせてみることをおすすめします。

ご遺骨を引き取らない理由

近年、ご遺骨を引き取らないことを検討する故人のご家族も増えている傾向にあります。

その理由としては、以下の5つが挙げられます。

ご自身の事情と照らし合わせてご確認ください。

 

ご遺骨を引き取らない理由

  • ・宗教的なこだわりがないから
  • ・納骨に費用がかかるから
  • ・故人と親しい関係ではなかったから
  • ・先祖代々のお墓を持っていないから
  • ・お墓の納骨できるスペースが限られているから

宗教的なこだわりがないから

ご遺骨を引き取らない理由として、宗教的な価値観にとらわれていないことが挙げられます。

 

ご遺骨の供養は、宗教儀式の一環として行われるものです。

宗教にこだわりのないと、納骨に意味を感じられず、「お墓に納める必要はない」と考えること方もいらっしゃいます。

また、こうした判断はご家族の考えによるものだけでなく、生前に故人自身が納骨をしないことを決断している場合もあります。

納骨に費用がかかるから

経済的な負担が大きいこともご遺骨を引き取らない理由の一つです。

 

ご遺骨を供養するためには、まとまった資金を用意しなければなりません。

特に、新たにお墓を建てて納骨する場合は、100万~150万円程度の費用が必要です。

くわえて、そのあともお墓を管理していくために維持費も発生します。

このように納骨にかかる費用が負担となり、ご遺骨の引き取りを拒否する方もいらっしゃいます。

故人と親しい関係ではなかったから

故人と面識や交流がない場合も、ご遺骨の引き取りを拒否することが多いようです。

 

一人暮らしや身寄りのない方が亡くなった際は、役所や警察が戸籍をたどり、遠縁のご親族に対して引き取りを依頼することがあります。

この場合には、故人との関係が希薄であったり、長年連絡を取っておらず絶縁状態だったりすることも少なくありません。

前項でも述べたように、納骨にはまとまった費用がかかるため、「関係性の薄い故人のご遺骨の管理まではできない」と引き取りを拒否するわけです。

先祖代々のお墓を持っていないから

先祖代々のお墓を所有していない場合、ご遺骨の行き先に悩み、引き取らないことを選ぶ方もいます。

 

お墓は、費用や準備期間などの問題から簡単に用意できるものではありません。

特に予算が確保できなかったり、故人が突然亡くなったりした場合は、供養の方法を検討するための時間がなく、結果的にご遺骨を引き取らないケースがあります。

 

関連記事:直葬の費用相場は?内訳や費用面のメリット・デメリットを解説

お墓の納骨できるスペースが限られているから

お墓を所有していても、納骨できるスペースが足りず、ご遺骨を引き取れない場合があります。

お墓の中の空間には限りがあり、制限なく納骨できるわけではありません。

お墓のスペースを空けるためには、すでに納骨されているご遺骨の対応も決めなければならず、手間がかかります。

このような事情から、ご遺骨の引き取りをためらう方も増えています。

ご遺骨を無断で処分するとどうなる?

ご遺骨を引き取る場合、無断で処分したり、ご自宅以外の場所に放置したりするといった行為は避けてください。

これらの行為は、刑法第190条における「死体損壊等」に該当し、3年以下の懲役刑が科されるおそれがあります。

法的リスクを避けるためにも、ご遺骨の引き取る場合は、適切な方法で供養しましょう。

 

参照元:e-Gov法令検索「刑法第百九十条」

直葬でご遺骨を引き取らない場合の選択肢

直葬を執り行い、ご遺骨の引き取りを拒否できる場合、いくつかの方法で供養を依頼できます。

以下では、その選択肢を3つ紹介します。

 

直葬でご遺骨を引き取らない場合の選択肢

  • ・火葬場でご遺骨を引き取ってもらう
  • ・ご遺骨を残さずに火葬する
  • ・自治体に無縁供養を行ってもらう

 

関連記事:直葬で遺骨がいらない選択はできる?収骨辞退の流れや供養の選択肢を解説

火葬場でご遺骨を引き取ってもらう

ご遺骨を引き取らない場合の対応として、火葬場で引き取ってもらうことが挙げられます。

火葬のあとにご遺体をすぐに引き渡せるため、供養に関する工数を最小限に抑えることが可能です。

費用は火葬場によって異なりますが、無料~3万円程度が相場とされています。

そもそもご遺骨の引き取りを行っているのか、またその場合には費用がどの程度なのかを事前に確認してみてください。

ご遺骨を残さずに火葬する

ご遺骨が不要な場合は、火葬場に“焼き切り”を依頼するのも選択肢の一つです。

 

焼き切りとは、火葬の際に骨を残さず遺灰になるまで焼いてもらう方法で、費用は無料~6万円程度が相場とされています。

実施するには強い火力が必要となり、設備への負荷も大きいことから、対応している火葬場は限られます。

自治体に無縁供養を行ってもらう

自治体に無縁供養を依頼するという選択肢もあります。

葬儀終了後にご遺骨を引き渡すと、自治体が運営する霊園の納骨堂にて一定期間管理され、そののちに供養されます。

自治体が対応するため、費用が発生しないことが特徴です。

ご遺骨を引き取らないメリット

ご遺骨を引き取らない選択には、以下のようなメリットが挙げられます。

 

ご遺骨を引き取らないメリット

  • ・お墓を用意・維持する必要がない
  • ・遺骨を管理する必要がない
  • ・継承問題に悩まない

 

ご遺骨を残さないことで、供養にかかる費用や手間を大幅に抑えられます。

また、ご自身だけではなく、将来的にご遺骨の管理を引き継ぐご家族の負担も減らすことにもつながるでしょう。

ご遺骨を引き取らないデメリット

ご遺骨を引き取らない選択には、いくつかの懸念点があることも把握しておきましょう。

以下に、ご遺骨を引き取らないデメリットをまとめました。

 

ご遺骨を引き取らないデメリット

  • ・ご遺骨が手元にないことで後悔する場合がある
  • ・ご家族の理解を得られない場合がある

 

費用や手間などの観点からご遺骨を残さないことを判断すると「やっぱり残したほうがよかった」と後悔するケースもあります。

ご自身の気持ちだけでなく、ご家族と話し合いながら慎重に検討することが大切です。

ご遺骨の引き取りを拒否できない場合

ご遺骨の引き取りを拒否できない場合は、適切な方法で供養する必要があります。

ここでは、ご遺骨を引き取ったあとの供養方法を紹介します。

 

ご遺骨の引き取りができない場合の供養方法

  • ・公営墓地に納骨する
  • ・納骨堂に納骨する
  • ・散骨する
  • ・合祀する
  • ・樹木葬をする
  • ・手元供養をする

公営墓地に納骨する

不要なご遺骨は、公営墓地を利用して供養することが可能です。

公営墓地とは、地方公共団体が管理・運営する墓地のことで、都立霊園・県立霊園・市営墓地などが該当します。

以下に、公営墓地を利用する際のメリットとデメリットをまとめました。

 

公営墓地を利用するメリット・デメリット

メリット デメリット 
  • ・経営面の安定性が高い 
  • ・墓地代・管理費が比較的安い 
  • ・お墓を建てる際に石材店の指定がない 
  • ・利用条件を満たさないと利用できない 
  • ・抽選で当たらないと利用できない 
  • ・設備やサービスの充実度が比較的低い 

公営墓地の利用者の募集は、自治体のウェブサイトや広報誌などで随時告知されています。

応募するタイミングを逃さないよう、定期的に情報を確認しましょう。

納骨堂に納骨する

ご遺骨を引き取ってもお墓がない場合は、納骨堂を利用するという選択肢があります。

 

納骨堂とは、ご遺骨を保管・管理している屋内施設のことです。

施設の中には、個人やご夫婦、ご家族単位のご遺骨を納めるスペースが設けられています。

納骨堂を利用するメリットとデメリットは以下の通りです。

 

納骨堂を利用するメリット・デメリット

メリット デメリット 
  • ・天候を問わずにお参りできる 
  • ・交通アクセスが良い場所にあることが多い 
  • ・墓石の手入れ・管理が不要である 
  • ・納骨スペースに限りがある 
  • ・お供え物に制限がある 
  • ・最終的にはご遺骨を合祀(ごうし)される 

 

納骨堂には、さまざまな種類があり、それに応じて価格が決まります。

費用を抑えたい場合は、“ロッカー式”や“位牌式”を利用するのがおすすめです。

散骨する

散骨とは、ご遺骨を粉末状にして海や山にまき、自然に還す“自然葬”の一種です。

手続きが簡単で、お墓を建てる費用や管理の手間を減らすことができます。

 

しかし、散骨を行う際は、地域の条例や規制を遵守しなければなりません。

海での散骨の場合、沿岸から1海里(約1.85km)以上離れた海域で行うのが一般的です。

山や森林での散骨は、その土地の所有者に許可を得る必要があります。

個人でご遺骨を粉末状にするのは難しく、法律に違反するおそれもあるため、専門業者に依頼するのが安全です。

 

また、ご家族と散骨を行う場合は、散骨後の供養方法について事前に話し合うことが大切です。

一度散骨したご遺骨は取り戻すことができないため、ご家族全員の同意を得てから決定しましょう。

ご遺骨の一部だけを散骨し、残りを自宅で保管するのも一つの手です。

合祀する

合祀とは、故人のご遺骨をほかの方のご遺骨と一緒に埋葬する方法です。

 

一度手続きが完了すれば、ご遺骨を保管している寺院が管理してくれるため、お墓の継承問題を解決できます。

また、新たにお墓を建てる必要もないので、費用を抑えられるのも大きな利点です。

 

懸念点として、一度合祀したご遺骨は取り戻せないことが挙げられます。

他人のご遺骨と混ざることに対して抵抗がある方も少なくないため、ご家族と相談しながら、慎重に検討しましょう。

樹木葬をする

ご遺骨の引き取りにお悩みの場合は、樹木葬(じゅもくそう)を検討するのも一案です。

 

樹木葬とは、お墓を建てるのではなく、埋葬許可を得た土地にご遺骨を埋葬する方法です。

桜やハナミズキ、紅葉樹といった樹木の根元付近にご遺骨を埋葬することで、自然と一体になりながら供養できます。

以下に、樹木葬のメリットとデメリットをそれぞれまとめました。

 

樹木葬を利用するメリット・デメリット

メリット デメリット 
  • ・永代供養ができる 
  • ・費用を削減できる 
  • ・宗教を問わずに埋葬できる 
  • ・ご遺骨を取り出すことが難しい 
  • ・交通アクセスが不便な場所が多い 
  • ・お墓参りの実感が得にくい 

樹木葬は、宗教面での制約が少なく、永代供養に対応している施設も多いため、引き取りを依頼したあとも安心です。

「できるだけ自然に還したい」「家族に負担をかけたくない」と考えている方にとって、最善の選択肢といえます。

手元供養をする

手元供養とは、自宅や身近な場所にご遺骨の一部またはすべてを保管し、供養する方法です。

小さめの骨つぼや仏壇に納骨することで、故人をいつでも身近に感じることができます。

 

なお、一部のご遺骨をお墓や寺院に納骨する場合は“埋葬許可書”、2か所以上の場所に納骨する場合は“分骨証明書”を提出する必要があります。

埋葬許可証は市役所、分骨証明書は火葬場で発行できるため、事前に確認しておきましょう。

これらの手続きは葬儀社に相談すれば代行してもらえるため、うまく行えるか不安な方は一度相談してみることをおすすめします。

ご遺骨がいらない場合は、自治体のルールを事前に確認しよう

今回は、「直葬のあとにご遺骨を引き取らないことはできる?」という疑問にお答えし、引き取る場合の供養方法も解説しました。

 

直葬のあとにご遺骨の引き取りを拒否することは可能ですが、必ず認められるわけではありません。

各自治体が定めている火葬場条例によって、ご遺骨の引き取りが義務づけられているケースもあります。

 

また、引き取ったご遺骨を無断で処分したり、公共の場で放置したりする行為は法律に違反するため、必ず適切な方法で供養しましょう。

 

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川上 知紀

株式会社川上葬祭 代表取締役

<略歴>

創業明治10年の老舗葬儀社、川上葬祭の5代目
関西大学卒業後、テニスコーチとして就職。その後、家業である川上葬祭へ入社。
代表に就任以降、業界の異端児として旧態依然の業界改革に着手。その経営手法から葬儀社向け経営コンサルティングや、業界向けセミナー講演活動、一般消費者向けの「無料お葬式講座」を講師として17年以上、現在もなお続けている。

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